高プロラクチン血症といわれたら
掲載日:2009.10.15
2007年猪年、今年になって第一号の妊娠報告は1月10日でした。
36歳、「高プロラクチン血症」の方でした。お乳が出る、生理前の胸張り、乳首が痛いということから、病院で高プロラクチンの治療薬をもらって飲むことを勧めました。
そして漢方薬の取り組みとしてまず「炒り麦芽」を飲んでいただきながら、周期療法でホルモンバランスを整える漢方薬を飲んでいただきました。
妊娠時の基礎体温表
妊娠時の基礎体温表
以前の基礎体温表
では彼女 の00ヶ月前の プロラクチンが高い時の基礎体温表です。
この時点ではお乳が出ていた。生理前に胸が脹り、乳首の痛みが有るとの事。卵胞期がかなりガタガタしている。
一般的に高プロラクチン血症の基礎体温表は次のような形が多いようです
高プロラクチン血症とは
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)は脳の下垂体から分泌されるホルモンで出産後は盛んに分泌され母乳がでるようになるのです。本来は妊娠、出産に伴って増加するホルモンなのに、妊娠も出産もしてない時プロラクチンが過剰に分泌されると、体が「妊娠している、お乳やってる」状態と思ってしまって排卵しないようにするのです。 つまり卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)の働きが抑えられ、排卵にブレーキが掛けられるのです。そのため、排卵が遅れたり無排卵になったり、また受精卵の着床にも影響があります。
高プロラクチンの症状は
- 妊娠も出産もしてないのに乳汁の分泌があります。
- 乳房ををぎゅっと搾ると「乳汁」がでます。
- ブラジャーに乳カスが付いているって言う人もいます。
- 乳首に白っぽいものが付いているという方もいます。
- 生理前胸が張る、生理前乳首が痛い。
- 生理前いらいらする。
- 排卵前胸が張る、お乳が痛い などの訴えがあります。
- 時には、上の症状が全くなくて「プロラクチンが高い」と言う方もおられます。
プロラクチンの検査
病院で血液中のプロラクチンの値を調べます。 1回では判断できない場合があります。疑わしい時は何回か検査してもらいましょう。又、普段は正常値なのにストレスが有る時とか夜とかにプロラクチンの数値が高くなる方もけっこう多いのです。潜在性高プロラクチン血症といいます。そのため、TRHテストというホルモン負荷テストをします。TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)を投与し、血液中のプロラクチン濃度が高くなるかで判断します。
プロラクチン数値: プロラクチンの正常値 : 15ng/ml 以下
高プロラクチン血症の原因:
*ストレスが大きい時 *脳の下垂体腫瘍(良性) *抗うつ剤など服用している場合 *抗うつ剤など服用している場合
西洋医学の治療:
高プロラクチン血症の薬を服用する。これは下垂体の働きかけてプロラクチンを下げます。 *内服薬「カバサール」「テルロン」「パーロデール」など *手術 「下垂体の腫瘍が大きい時」
中医学の考え方
肝鬱気滞 、肝鬱腎虚 、肝鬱脾腎虚、 陽虚肝鬱、 陰虚肝旺、 気血不足 など。
「肝鬱」の字のごとく、ストレスが大きく関係してると考えて気血をめぐらし、気を発散させ気持ちがリラックスするような漢方薬を使います。 「逍遥丸」「加味逍遥丸」「芍薬甘草湯」など生薬としては「炒り麦芽」が使われます。