「多精子受精」や「受精後の分割停止」
掲載日:2010.02.15
Aさんは今月3回目の体外受精(IVF)をする段階になって、このような事が起こってしまいました。
「3個採卵出来ましたが、1個は多精子受精、2個は受精はしたけど2個とも分割せず今回は移植できませんでした。」ということです。
今までの体外受精では問題なく移植出来ていたのに、今回のこの結果はショックで落ち込んでしまいました。
こんな事が続いたらという心配と、もう妊娠する能力がないのではという不安からでした。
★「多精子受精」とは?
多精子受精とは、1つの卵に2〜3個の精子が侵入することで、正常な分割がストップしてしまう状態のことです。正常な受精とは1個の卵に1個の精子が入ると、卵子の透明帯と細胞膜の共同作業で精子侵入防止膜(透明帯反応)を作って次の精子が入ってこないようにシャットアウトするのです。
つまり「多精子受精」は異常な受精の様態のことです。だから分裂せずに受精卵が育っていかなくなります。
★せっかく受精したのに「分割停止」してしまうのはなぜ?
原因の特定はできないです。染色体異常とか、培養液との相性が悪いとか、いろんな原因が考えられます。
★なぜこのような事がおこるのでしょうか?
「多精子受精」にしても「受精後の分割が進まない」ことにしても、それは卵の質が良くないと考えらています。
卵の質が良ければ 精子が侵入してきたときに他の精子が入らないようにいち早く侵入防止膜を作って受精卵を守ることができ、また、受精後正常に分裂をするからです。
★では卵の質の低下はなぜおこるのでしょうか?
原因は、「卵巣の力不足」です!
卵巣の力が不足する原因のひとつには体質の問題があります。
冷え症、貧血、疲れやすい、プロラクチン高い、ストレス、うつ病、不眠、年齢などがあります。
また、排卵誘発剤などの刺激を何回も繰り返して使っているうちに卵巣が疲れて能力が発揮できなくなり卵の質の低下が起こる人もいます。
★「中医学」的に解決策を考えましょう。
「多精子受精」にしろ、「受精卵の分割が止まってしまう」時は卵の質が良くない状態と中医学では考えますので、まずは卵巣を元気にする事を考えます。
1.性腺軸を整えていく
良い卵、質の良い卵胞は性周期〔視床下部―下垂体(前葉)―卵巣〕という一連のホルモンの調整機構で支配されています。この調節がバランスを失って卵巣の働きが低下していくと卵、や卵胞の質も低下していくのです。
「補腎精」とはこの一連のホルモン軸をスムーズにして卵巣の力を正常にもっと元気にしていくことです。
「補腎精」の「精を増す」漢方薬やサプリメントを使いますと早い効果が期待できます。
2.「補腎薬」の効果で卵巣が若がえります
卵巣機能が低下した時には漢方では「補腎」という考え方で卵巣を守ります。
「補」つまりホルモン能力が上がるように卵巣に栄養と活力を与えるような補腎薬を使うのです。
3.「養血」「活血」「調肝」で卵巣が元気になります
卵巣に良い血液を与え血流を良くし、またストレスで気持ちがダウンしているのを解決して卵巣が生き生きと働くようにすると、とても良い卵を排卵するようになるのです。
多精子受精や受精後の分割停止などで、お悩みならミネサキへご相談ください。
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