談 勇先生の講義
掲載日:2009.10.16
南京中医薬大学付属病院研修に行くもう一つの目的は私がとても敬愛している「談 勇教授」にお目にかかること、そして講義を聴くことです。
「談勇教授」は中医師と西洋医の両方のライセンスをお持ち中国医学界の中でも、最先端の中西医結合を実践されておられる超優秀な先生です。1990年から7年間、旭川医科大学にいらしたので日本語もとても上手です。
南京中医薬大学付属病院は談勇教授を中心に体外受精,顕微授精など最先端生殖医療を行っており設備も立派に新設されてました。
不妊治療を西洋医学できちんと検査。子宮卵管造影やホルモン検査を行い、体質的な問題などがあるときは中医学の診断で漢方薬を服用。ホルモン剤と漢方薬併用も大いに取り入れられていました。
漢方薬を飲んで その効果を又血液検査や超音波などで確認するというやり方です。
談勇先生のコンセプトは「安全で確実に赤ちゃんを授けさせたい」というものです。
漢方薬といえどもその方に合うかこの時期飲んでいいか胎児には影響ないかなど、とても安全性を考慮され処方されます。とても勉強になります。
談勇先生の診察風景・沢山の患者さんが並んでます。ひっきりなしの診察です。
お一人お一人に丁寧な問診診察。
談勇先生の今回の講義のテーマは「癥瘕」(チョウカ)です。
子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮内膜症の西洋医学の診断・治療と中医学の弁証論治です。
パワーポイントでは談先生が手術治療の写真を沢山見せてくださいました。
癥瘕の治療法で一番大事は 手術したほうが良いか、手術不可かを見極めること。
癥瘕の中医学療法では きちんと症状を弁証すること。
癥瘕を起す原因は中医学的に考えると「気・血・水」の代謝、めぐりが悪いことが考えられます。
西洋医学できちんと検査し診断。その結果手術するべきはして 術後漢方にて体調を整える。というのが一般的治療法です。手術するほどではないものは西洋医学の治療しながら漢方を服用し、その効果経過を定期的に検査で確認という方法です。
日本では漢方とか漢方薬というのがポピュラーな言い方ですが、本来は西洋医学に対しての「中国医学(中医学)」です。漢方は医学ですので西洋医学と同じくどんどん進化してます。昔は漢方は経験医学的なものでした。なんとなくファジーな部分もありましたが、今は中国医学として漢方処方も臨床試験で臨床的有用性の評価をきちんとなされるようになりました。生薬の安全性も求められています。漢方服用後のの追跡調査も行なわれ副作用のないことの確認も行われているようです。
談 勇先生の講義を効くと中医学の素晴らしさ、漢方薬の効果のすごさを多くの日本の方に伝えたいと思います。
講義の後先生と。
夕食会は先生のお隣の席。いろんなことを話しました。