4月出張勉強会にて
掲載日:2009.10.26
■□■ 佐藤孝道先生「男性不妊」の講義を受けました■□■
佐藤孝道先生{聖路加国際病院 女性総合診察部 生殖医療センター部長}
最近は初婚年齢が男女ともに上がってますので、当然出産年齢も男女ともに上がっているわけです。
女性は高齢化によって妊娠率は低下、流産率は高くなるというのは常識的に理解されてます。では男性はどうでしょうか。
不妊カップルがご相談に見えてもやはり深刻に考えておられるのは奥様の方で、ご主人様はどちらかというと自分に非があるという風には考えておられないようです。
佐藤先生の講義より紹介いたします。
■男性年齢の高齢化によって
*精液の所見が悪化する ・・・・30歳頃から低下
*妊娠率が低下する ・・・・・変化が起こるのは30歳程度から
*自然流産率が高くなる・・・・・30歳を超えると高くなる。胎児死亡も増加する。
*トミソリー型染色体異常の児を妊娠する可能性がある。・・・・遺伝子突然変異による児の病気が増加する。
◎男性も30歳を超えると妊娠率が低下するのだということを認識しましたよ。
■男性不妊の定義
佐藤孝道先生は面白いことを言われました。
「男はもともと不妊だよ」「子宮がないので妊娠しないから」って。すごいユーモアセンス。皆苦笑!!
それはさておいて、先生曰く「不妊」とは 特定のカップルの間の症状なんですよ。女性だけの問題ではないですよ。
佐藤先生は「男性不妊」の定義を次のように述べられました。
男性不妊とは、女性を妊娠させる能力が低下した状態。妊娠力を持った精子を作り、射精し、女性に送り届ける能力が低下した状態です。
男性不妊の原因の60〜80%を占めるのは精細管の機能障害(原因不明)とのこと。精子数、精子の運動率、精子の異常。
◎なかなか妊娠しないと思う時にはやはり男性も、ぜひ検査してほしいですね。
精液検査の基準値データー WHO 1999
■男性年齢がさらに40歳を過ぎると
パートナーの
*妊娠する可能性が低下
*流産率が高くなり
*妊娠20週以降に子宮内で胎児が亡くなる可能性が高くなる。
*子供が先天的な病気を持って生まれる可能性が高くなる。
◎男性の40歳は 女性の35歳に匹敵するといわれました。
男女ともこの年齢からやはりホルモンの低下が始まるのです。
◎男女ともに高齢出産が多くなる中、今回の佐藤孝道先生の講義を受講して改めて高年齢のリスクを感じました。
と言ってもみんな早く結婚して早く子供を作ろうなんてことは、現実の社会状況では無理ですね。むしろもっともっと高齢化出産は多くなる傾向です。
◎そのためには男性は良い精子、女性は良い卵を維持するために、中医学(中国医学)の知恵を持って心身とも 健康で若々しい身体つくりをしておくべきだとつくづく思いました。「補腎薬」はそのための漢方です。