佐藤孝道先生「子どもがいるのはこんなに楽しいよ、と言うメッセージを。」
掲載日:2012.09.22
8月の末
佐藤孝道先生(聖路加国際病院女性総合診療部部長)の
講義を受けてまいりました!
テーマは 『体外受精のための卵巣刺激(COS)』 です。
1980年代の体外受精始まりのころから1990年代は
とにかく子供を産ませさえすればOKという体外受精の時代でした。
多胎妊娠も多かった時代です。
現在は、
患者さんへのストレスが少なく負担のない卵巣刺激法へと進化して、
妊娠率向上へと発展しています。
卵巣刺激で問題になるのはやはり卵子の問題ですが、
卵子の老化が統計的に証明できるのは
32〜33歳頃からと佐藤先生は示されました。
今年6月に放送されたNHK「不妊」の特集番組では
「卵子は35歳で老化していく」という事で
卵子の老化と不妊の問題を放映していましたが、
佐藤先生はそれより2〜3歳若い、
「32〜33歳ごろから老化する」
と示され、本当に驚きました。
高齢でも体外受精で妊娠出来る時代だから…
という甘い考え方は間違いで、
卵子は確実に老化していて、
どんなに体外受精が進化しても、卵巣刺激法が改善されても、
卵子の老化という決定的現実は
「妊娠」するための一番大きな問題点です。
佐藤先生のお話から
「少子化・出産年齢の高齢化が
産婦人科医の懸念の対象になったのは20年以上前からです。
しかし、不妊との関連が注目されるようになったのは
2000年頃からのように思います。」
「出産年齢高齢化の問題を解決するには
若い人たちに必要なメッセージを伝えなければなりません。
〓早く作らないと不妊になるよ" ではなくて、
〓子供がいるのはこんなに楽しいよ" と言うメッセージを。
このメッセージを伝えられるのは国民一人一人ではないでしょうか?」
と話されました。
私は佐藤孝道先生のこのメッセージにすごく共鳴いたしまして、
一人でも多くの方に伝えたいと思います。
◆佐藤孝道先生のご紹介
聖路加国際病院女性総合診療部部長
生殖医療センター所長
遺伝診療部部長
<今までのお仕事>
東京大学医学部講師/虎の門病院産婦人科部長
<主な専門分野>
不妊症、妊娠、分娩(特に病気を持った方の分娩)
遺伝、妊娠と薬、婦人科丸、産婦人科手術、内視鏡下手術、
不妊や遺伝に関係するカウンセリングなど。
佐藤孝道先生の詳しいご紹介はこちらのホームページをご覧ください。